2018/06/09 20:00

刺し子のアトリエgypsophila(ジプソフィラ)よりこんばんは。

店長で作り手の木内しおりです。



「刺し子ってなんですか?」

そう聞かれることが多々あります。



接客の際、私はざっくり広義で

「刺繍の一種です」

と答えています。


いきなりマニアックな刺し子の本質を語っても伝わらないことが多いので(笑)



でも今日は敢えてマニアックにお話ししたいと思います。




・刺繍とは
衣服や布の小物、インテリアを豪華に飾るために施されるもの。
美術品や伝統工芸の域に入る、贅沢な品々として現代に残っています。

一方

・刺し子とは
現代風にすると
家計のやりくりのためにひねり出した主婦の技
と言えばばイメージしやすいかと。(だいぶ乱暴にまとめてますが)


だって、キラッキラ〜な刺繍の歴史に対して刺し子の原点は↓これ↓ですよ?


重ねて、擦り切れを隠して、つないで、また使う。

ボロ布になっても捨てずにリサイクル!
とっかえひっかえ新品ばかりを買っていられない庶民の「もったいない」精神から生まれたと言っても良いでしょう。

重ねて縫い合わせたら、アラ丈夫。
着られなくなったら雑巾に。

しかも糸が布の織り目をふさぐため、防寒役も担ってくれちゃうスグレもの。
布だけでなく糸の分も水分を含めるので、江戸の火消しは刺し子の半纏を羽織って水をかぶって現場で活躍したのでした。



いかがでしたでしょうか。

ざっくり「刺繍」でくくるにはちょっとヒトコト言わせてくれ!とはがゆい思いをしながら「刺し子は刺繍の一種ですかね〜」と接客している私の気持ち、少しでも伝わりましたら嬉しいです。

いやいや(笑)

刺繍なんですけれども刺し子の生い立ち、ぜひお見知りおきくださいませ!